佐田沈下橋
高知県を流れる四万十川には本流、支流合わせて47の沈下橋が架かっています。
2009(平成21)年2月に「重要文化的景観」として四万十川流域が選定され、沈下橋も景勝地の構成要素として位置づけられています。
中でも今成橋(いまなりはし)は通称「佐田沈下橋」と呼ばれ、四万十市市街地から一番近い沈下橋として多くの人々が訪れています。
アクセス・基本情報
土佐くろしお鉄道 中村駅からはタクシーで約15分。天気の良い日はレンタサイクルを利用して四万十川沿いのサイクリングも人気です。
基本情報
住所 | 〒787-1106 高知県四万十市佐田 |
建設年 | 1972(昭和47)年 |
長さ | 291.6m |
幅 | 4.2m |
沈下橋とは
四万十川では、昔から自然災害による大雨で川が氾濫し毎年大きな水害を受けてきました。
欄干のある一般的な橋では、万が一洪水で沈下したときに流木などが引っ掛かり水の流れを悪くして被害がさらに拡大する恐れがありました。
自然のまま川の流れを堰き止めずに沈下させ、川の氾濫を防ぐとともに道路としての役割も果たすために現在のような形になっています。
見どころ
土佐くろしお鉄道中村駅から佐田沈下橋まで約10km、四万十川沿いの土手を自転車で気持ちよく走る地元の方や観光客も多く見受けられます。
自転車であれば右岸側は特に四万十川の真近を舗装路が通っていて、美しい景勝地も点在しています。
また途中にある「四万十桜づつみ公園」では初夏は新緑に覆われ、春になると鮮やかなピンク色の桜がきれいに咲き、四季折々の景観を楽しめます。
この周辺は脱藩前の坂本龍馬ゆかりの地でもあります。龍馬がよくこの辺りの松の木に寄りかかって居眠りをしていたことで、「龍馬の居眠り堤」とも呼ばれ現在も地域の人々憩いの場となっています。
途中から少し山間に入り、ほどなくすると沈下橋が見えてきます。
この佐田沈下橋は水面からの高さは約2~3m程度で、四万十川最下流に位置し長さ290mと最長の沈下橋と言われています。
また普段は集落をつなぐ生活道として使用する貴重な橋で、幅は乗用車1台がやっと通れるほど狭く無駄のない簡素な造りが特徴です。
沈下橋の上から望む四万十川と山々の景色は、美しい日本の大自然が作る隠れた絶景として訪れた多くの人々を魅了しています。
四万十市を訪れた際には、是非1度足を運んでみて四万十川と沈下橋の美しい景観を堪能してみてください。
「土佐の小京都」と称される、高知県四万十市(旧中村市)とその周辺を紹介したサイトです