中村大神宮
中村大神宮はちょうど中村城跡(為松公園)の東側、為松山山麓に鎮座する神社で、伊勢本宮からの分霊が祀られている歴史のある神社となっています。
御祭神の天照皇大神は、日本人の生活の中にもっとも深く浸透してしている神さまとして有名で、日本皇室の祖神としても知られています。
天照皇大神は、あらゆるご利益を預かることのできる万能神でもあることから、古くからこの地で、厚く信仰されてきました。
アクセス・基本情報
土佐くろしお鉄道中村駅からは徒歩約30分。市が運営している「中村まちバス」利用であれば、四万十市文化センターで下車して徒歩5分。
基本情報
住所 | 〒787-0003 高知県四万十市中村丸の内15 |
電話 | なし |
拝観料 | 参拝自由 |
拝観時間 | 特になし |
祭神 | 天照皇大神 猿田彦大神(摂社) |
中村大神宮の由緒
中村地域の伊勢信仰は江戸期にはすでにあり、文化年間(1804~1818年)に土佐(高知県)の歴史や宗教などをまとめた「南路志(なんろし)」には、「神明宮、地下祈祷所」と記されています。
明治維新以後も神宮教区(伊勢信仰を母体とする一派)が置かれ、豊受大神(とようけのおおかみ)を祀るお社も天神橋通りにありました。
そのお社が1890(明治23)年に現在地に移され、2年後の1892(明治25)年3月10日伊勢神宮本営から勧請(かんじょう)して落成式が行われました。
1946(昭和21)年8月から中村大神宮と称して神社となり、1952(昭和27)年に宗教法人を設立します。
中村大神宮の見どころ
四万十市中村の市街地は「せせらぎ水路」など、四万十川の水が流れる水路をいたるところで見ることができます。
四万十川と後川に挟まれた碁盤の目のように広がる町並みと、その細部を流れる水路がまた小京都ならでは風情を感じさせてくれます。
町の東側に位置する為松山にはかつての土佐中村城が築かれ、中村大神宮はその麓に静かに鎮座しています。鳥居は伊勢神宮と同じシンプルな「神明鳥居」なのが特徴です。
参道正面に建つ拝殿は、切妻屋根の堂々たる佇まい。悠久の時を経て風化したお社の柱やくすんだ梁からは言葉では言いあらわせない懐かしさを覚えます。
周囲の喧騒が一変し、静寂に包まれる境内。神秘的な空間が神々の領域であることを教えてくれます。
境内の西側には猿田彦神社が鎮座しています。祀られる猿田彦神はアマテラス神が遣わしたニニギノミコトの道案内をしたことから「導きの神」とも言われ道祖神として祀られることが多い神さまです。
中村大神宮の西側には、恵比寿神社が鎮座し祭神は大国主命(おおくにぬしのみこと)が祀られています。恵比寿さまは昔から商売繁盛の神さまとして知られ、富と幸せをもたらすとして庶民からも厚く信仰されています。
江戸時代に大流行した「伊勢参り」。様々な理由で参拝に行けなかった人々にとって、地元に祀られた大神宮は、ありがたいお宮だったのだろうと容易に想像がつきます。
中村市街地散策の際には気軽に立ち寄り、日頃の感謝を込めて祈りを捧げてみてはいかがでしょうか。
「土佐の小京都」と称される、高知県四万十市(旧中村市)とその周辺を紹介したサイトです